物件購入後のよくあるトラブル
中立的な立場から物件選びをサポートする専門家に実際に寄せられた相談例を、いくつかピックアップ。トラベルを未然に防ぐために注意したいポイントも、合わせてご紹介します。
ローン返済で手いっぱいなのに入居した直後に修繕積立金がアップ!
【予防法】最後に修繕工事をしたのはいつか、管理会社に履歴を確認して
マンションの管理費や修繕積立金については、ほとんどの人が物件購入前に確認しますが、見落としがちなのがこれまでの修繕履歴。最後の修繕工事から年月がたっていると、近いうちに工事する予定が決まり、修繕積立金が上がったり、まとまった金額の一時金が必要になるケースがあります。
修繕費の問題だけでなく、定期的にメンテナンスが行われているかどうかは、物件購入の大きな判断材料。どれくらいのスパンでどんな修繕をしているかによって、建物の耐久性や住み心地が大きく左右されるからです。いずれ売却する予定であれば、資産価値にも影響大。修繕履歴の書類を管理会社に見せてもらうほか、建物調査の専門会社などのプロに依頼して、外壁や共用スペースの状態をチェックしてもらうことも大切です。
入居後にカビや結露が発生!リノベーションで何か対策をすればよかった・・・
【予防法】建物の弱点・欠点をあらかじめ知るには「現状引渡し」の物件が有利
中古マンションの多くは「リフォーム済」、つまり内装や設備を一新してから売り出されている場合がほとんど。見た目がされいで印象はいいのですが、半面、その物件の弱点が見えなくなるというデメリットがあります。
反対に、前の所有者が退去したままの「現況引き渡し」の物件は、内装や設備が古びていて、見学したときの印象はよくないかもしれません。ただし、室内の傷み具合が見えることで、その物件の弱点を知る手がかりになります。たとえば、湿気がこもりやすい物件の場合、リフォームで新しいクロスが張ってあったら、それに気づくことは困難でしょう。一方、現況引き渡しの物件では、壁に結露やカビの跡が残っているはず。それを見れば、どこにどんなダメージが出るのか予測できるため、通風用の室内窓をつけたり、調湿効果のある内装材を使うなど、リノベーションで予防策を講じることができます。「こんなに汚いけれど大丈夫!?」と恐れずに、ぜひこのメリットをプランに役立てましょう。
住民トラブルや音の問題など住み始めてからの悩みが尽きません・・・
【予防法】共有スペースや提示板などからマンション全体の雰囲気を察知して
リノベーションでは改善できないけれど住み心地に大きく影響するのが、同じマンションに住む人たちの人間関係。実際に入居してみないとわからないことが多いのですが、物件を見学する際にできるだけ手がかりを集めたいものです。
参考になるのは共用スペースの状態。ゴミ集積場や駐車場・駐輪場、エントランスやエレベーター、共用廊下などの使われ方を見ると、住人の傾向がなんとなくわかるはずです。エントランスなどにある掲示板もチェック。管理組合からのお知らせや、理事会の議事録などが貼り出されていて、管理のきめこまかさを知るヒントになります。苦情や住人トラブルに関する貼り紙がないかどうかも確認をしましょう。見学中に住人とすれ違ったら、挨拶をしてみたり、声をかけて住み心地について尋ねてみるのもおすすめです。
リノベーションの自由度に影響する管理規約も事前にチェック
【予防法】希望のリノベーションが最優先ですが資産価値に影響することも忘れずに
これからマンションを手に入れる人が、手放すときのことまで考えないのは、ある意味、自然なこと。リノベーションにあたっては希望のプランを反映するべきですが、もし将来住みかえる可能性があるのなら、売却するときのことも頭のすみに入れておきましょう。
最も買い手がつきやすく、価格が下がりにくいのは、やはり2LDK、3LDKといったフアミリータイプの間取り。水回り以外をワンルームに変えた、などの特殊なプランは、需要が少ない分だけ次の買い手を探すのが難しくなります。また、資産価値を左右じやすいのが利便性。駅から遠い物件は価格が手頃ですが、手放す際にも希望の値段がつかなかったり、買い手が見つからないこともあります。もちろん、今の自分たちに手が届くことが重要ですが、年齢を重ねた後のことも考えると、「駅から徒歩20分」といった物件は再考の余地ありです。