物件の購入から入居までの流れ

設計契約・工事請負契約を交わす
最終プランと工事見積もりが確定したら、いよいよ契約です。施主と施工会社の両社が契約書に署名捺印し、「工事請負契約」かわします。設計者がいる場合は、同時に設計契約を行います。設計料や工事費は通常、着工時や竣工時など数回に分けて払うことになるので、支払いのタイミングと金額を事前に確認しておきましょう。支払い時にローンが実行されるかどうかも要チェックです。

近隣への挨拶、管理組合への届け出
たとえ工期が短くても、工事の音や資材搬入の行き来など、近隣には少なからず迷惑をかけることになります。工事が始まる1~2週間前に、依頼先の担当者と一緒に両隣と上下階のお宅を回り、工事の内容や期間などを伝えましょう。管理組合にも届け出て、エレベーターや共有廊下の使用を了解してもらいます。

着工
工事期間はリノベーションの規模によりますが、音の出る工事ができる時間が限られている場合(平日の9~17時など)、通常より長くなるケースもあるので、マンションの規約を確認しておきましょう。また、解体後に修繕が必要な個所が見つかったときは、追加工事が発生することもあります。その際の追加料金や工期についても確認し、書面で残しておきましょう。

完成・引き渡し
工事が終わったら、図面どおりに完成しているかどうか、設計者や施工会社の立会いのもとで最終確認をします。不具合があれば工事費を精算する前に手直しを依頼しましょう。担当者の連絡先、新しく取り入れた設備機器の保証書、定期点検の時期などの確認も忘れずに。リノベーション会社などでは、第三者検査機関などによる竣工検査や保証制度があるケースもあります。

引っ越し・入居
めでたく新居に引っ越し、不動産取得税や毎年かかる固定資産税・都市計画税などの支払いがあることも念頭に置いておきましょう。入居後は、3カ月、1年を目安に不具合や設備の初期不良などをチェックします。依頼先によってはアフターサービスとして行ってもらえる場合もあります。
ローンの利用

資金計画を立てる
まずは、物件購入のみローンを組むのか、それとは別にリフォームローンを組むのかを検討しましょう。金融機関によっては、物件購入費用とリノベーション費用を合算して住宅ローンを組むこともできるので、普段使っている銀行や勤務先のメインバンクなどに問い合わせてみましょう。ワンストップ(窓口一元化)のリノベーション会社では、資金計画からサポートをいるところもあります。

住宅ローンの事前審査を申し込む
物件の購入予約をしたら、金融機関による事前審査を申し込みましょう。申込書のほか、所得を証明できる書類などを用意します。審査では、申込の支払い能力や信用度、物件価格などから、どれくらいの融資が可能かをチェック。物件購入費用とリノベーション費用を合わせてローンを組む場合は、工事見積書が必要になるので、プランもある程度進めておく必要があります。
【準備するもの】
●住宅ローン事前審査申込書
●本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
●所得証明書類(会社員は源泉徴収票、自営業は納税証明書や確定申告書2~ 3年分など)

住宅ローンを申し込む
事前審査をクリアしたら、日―ンを受ける金融機関を決めて本審査を申し込みます。審査は信用保証会社が行います。金融機関によって、売買契約書や土地建物の登記簿謄本、印鑑証明書などの必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。物件とあわせてリノベ費用も借りる際は、工事請負契約書の写し、または確定した見積書も必要になります。別途でリフォームローンを借りる場合も、着工前に申し込みを。
【準備するもの】
●住宅ローン借入申込書
●団体信用生命保険申込書
●本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
●所得証明書類(会社員は源泉徴収票、自営業は納税証明書や確定申告書2~ 3年分など)
●実印
●印鑑証明書
●住民票
●売買契約書
●重要事項説明書
●土地建物の登記簿謄本

住宅ローンの契約をする
無事に本審査を通過したら、日―ンの対象となる物件の抵当権を設定し、金融機関と「金銭消費貸借契約」を結びます。これで無事、ローンが実行されることになります。融資を受ける金融機関に口座がない場合は、契約と同時に口座開設の手続きなども行います。銀行ローンを利用するケースでは、抵当権の設定とともに所有権移転登記も司法書士に委任し、残金決済や物件の引き渡しなどもローン契約と同時に行うのが一般的です。
【準備するもの】
●実印
●印鑑証明書
●住民票
●適合証明書(「フラット35」を利用する場合)など

ローンの実行・残金決済
ローンを受ける金融機関に物件の買主と売主、不動産会社の担当者や司法書士が集まって、さまざまな手続きを行います。購入物件の所有権移転の登記を司法書士に依頼し、金融機関から融資金の交付を受け、物件購入
残金の支払いと鍵の受け渡しを行います。手続き終了と同時に住宅ローンの支払いもスタート。中古購入×リノベーションの場合、工事が終わるまでの間、現在の家賃との二重払いが続くので、引き渡し後はできるだけ早い着工をめざしましようo
【準備するもの】
●実印
●印鑑証明書
●住民票など